防音とは
まず、知っておいて頂きたいことは、音には固体伝搬音と空気伝搬音の2種類の音があるということです。この2種類の音に対しての対策を考えて、はじめて、対策が出来るということです。ここでは、難しいことは、省いて簡単にご説明申し上げます。
空気伝搬音とは空気中を伝わっていく音です。楽器等を演奏した場合、発生した音エネルギーが空気中を伝わり壁などにあたった時、その壁を振動させ隣家へと伝わっていきます。
固体伝搬音
直接構造体に衝撃を与えることによって壁の反対側等に伝わる音です。ドア、サッシ等を勢いよく閉めたり、床等に物を落としたりして発生します。特に、固体伝搬の場合、構造体を伝わり隣家だけでなくかなりの範囲に影響を及ぼす場合があります。
音の強さは音の強弱(音圧レベル)を表す単位「dB(デシベル)」が用いられます。
ピアノの音色は芸術性もさることながら、実は90~100dBの音の強さを持ちかなりうるさい楽器で、トランペットはさらに、ジェット機並の強力な音の力を持ち合わせます。弾き手によれば心地よい音でも、他人も同様とは限りません。
お客様からのご相談で一番多いのが、音の強さのコントロール=防音・遮音ですが、使用する楽器によって防音室も最適な設計を考えなくてはいいけません。
その特性は、波のように空気中を伝わって音の波紋を作り出します。遮音とは、音を遮ると書きますが音源から出た音がその遮蔽物を通過した場合に失う音量のことです。たとえば、ピアノを95dBの音で演奏した場合、-35dBの防音壁を通過した場合ピアノの音は60dBとなります。通常、人間の会話する音量は、55~60dBと言われています。ですから、ピアノ室の場合、通常-35dBのタイプが多く用いられ、ピアノの音を通常会話程度の音量にします。
※防音工事では、振動を吸収する浮き床がもっとも大事な部分となります。そのため、完全2重工法により壁・天井にも空気層を挟み振動音が直接本体の建物に伝わらない工法を取っております。音は、空気を伝わっていく
空気伝播音と振動として伝わっていく固体伝播音の両方に対する処理が必要となります。そのため、2重工法のプランをお勧めいたします。
Lesson1.音の進入ルート
まずは、音がどこから入ってくるかを知っておかなければ、防音対策を行う
場所が分かりません。音には、空気を伝わって耳に届く空気音と、
地面や床・壁などを伝わって響いてくる固体音とがあります。
空気音はジェット機・自動車や楽器の音、人の話声などです。
固体音は2階の足音やトイレの排水音などの振動音です。
Lesson2.「空気音の進入を防ぐ」
1.ドアや窓の隙間をなくす
ドアや窓のスキ間、換気口など、音の通り道になる箇所を確実にふさぐ
(パッキング、コーティング)ことが大切なポイントです。
2.防音材はより重く、より厚く
壁・床・天井の遮音性能は、使用材料の重量によって決まり、重くて厚いほど遮音性は向上します。
共振を防ぐため複合材の使用も効果的です。
3.壁を多重構造にする
遮音性を上げるためとはいえ、壁をむやみに重く、厚くするわけにはいきません。そこで、おすすめなのが、壁や窓を二重にする多重構造です。
中間の空気層にグラスウールを充てんして、遮音効果を高めます。
防音工事の落とし穴!壁を多重構造にする場合、中間に空気層を入れずに工事をしてしまうと、防音効果が上がりません。
具体例として、30db(デシベル)の防音効果のある壁を2枚、貼り付けて工事をします。30db+30dbで60dbの効果・・・はありません。
30db+30db=35dbの防音効果しか出ないのです。防音の知識のない人が工事をすると、このような勘違いを起こしてしまいます。
防音効果のある防音工事は、「音のプロ」であるフジ音響システムにお任せください!
通常
80dBの音源に対して外に出る音は
50dBになります。
防音効果が出にくいケース
80dBの音源に対して外に出る音は
45dBになります。
プロの技
80dBの音源に対して外に出る音は
20dBになります。
Lesson3.固体音(振動音)の侵入を防ぐ
1.家の構造を強固にする
軽量鉄骨造より木造、木造よりコンクリート造の方が、構造体の剛性が高く、固体音の影響を受けにくくなります。
2.床にクッションを敷く
足音や物の落下音を防ぐには、カーペットや木質フロアーの下地にクッション性のある材料(フェルトなど)を敷くのが有効です。
3.浮床で振動をシャットアウト
床と構造体の縁を切ること、つまり浮床構造にすることが、音の侵入を防ぐのに大変効果的です。
同じ理由から、遮音構造の天井を防振ゴムで吊る方法もあります。